サッカー通の知り合いと久しぶりに
サッカー通の知り合いと久しぶりにゴルフをしたので、
昼ご飯を食べながら、新オシムジャパンやアジアカップの
ことについていろいろと話が盛り上がった。
話を聞いていた友人が、「中田の引退はどうなのよ?」
と切り出したが、サッカー通の知り合いも自分も、今更
中田に興味はないので、まあ、いいんじゃないの、と
いった程度の話で終わった。
中田と言えば、妙な言葉を残して去っていった。
「人生とは旅であり、旅とは人生である。」
前半部分はいいとして、後半のクダリは意味不明である。
単に単語の前後位置を反対に変えただけだ。
和田といえばアキコであり、アキコといえば和田である、
みたいな言葉遊びと大差ない。
まあなんとも意味のない言葉を残してしまったものだ。
「巨人軍は永久に不滅です」
とはミスター長嶋の引退の言葉だが、こちらは面白い。
"永久"と"不滅"は、ほぼ同意語なのだが、
それを重ねて使ってしまうところにミスターの憎めない
人柄が見えてくる。
漫画になるが、引退宣言といえば北斗の拳のラオウだろう。
「我が生涯に一片の悔い無し!」
という名文句を残して、引退、というか絶命してしまうのだが、
このインパクトは当時小学生だった自分には大きかった。
悔いのない人生を送ろう、と聞くと、ひ弱な大人が掲げる
標語のようで不快だが、
死ぬ間際に、生涯に悔いはないと言って去っていくという
その潔さに、真っ直ぐな男らしさを感じることができた。
昨年、広島東洋カープの名選手が、
「少年達よ、野球はいいぞ!」
とマイクで言い残して引退した。あれは格好よかった。
身近なところでは、昔勤めていた会社の上司が還暦で
引退するとき、自分を部屋に呼んで、名言ともいえる言葉を
贈ってくれた。
「出る杭は、打たれて強くなるものだ。」
彼からもらった言葉に勇気づけられた。
その後、地元でサラリーマンになって、会社の年長者達に
イビられたとき、
「もっと打ってくれないと、杭の出し甲斐がありませんよ」と
のたもうたことがあり、痛快だった。
名言といえば、大好きなのはハンフリー・ボガードの台詞。
「昨日は何をしてたの?」「そんな昔のことは忘れた。」
「じゃあ今日の夜は?」「そんな先のことはわからない。」
こんな台詞で女性をあしらうボガードがカッコ憎い。
これはくだらない話だが、会社の仲間が小学校の頃、
父兄参観の日、英語の授業で、先生から
「リンゴは英語で何ですか?」と質問された生徒が、
ちょっと考えた末に、明朗な発音で、
"りぃんごぉぉぅ" と答えたそうだ。
以来、その仲間の家でリンゴが食卓に並ぶたび、
家族の皆が、りぃんごぉぉぅ、りぃんごぉぉぅ、と
笑いあって食べているそうだ。名言といえるだろう。
座右の銘というのも面白い。
日本女子バレー代表で、イタリアセリエAプレイヤーの
高橋みゆき選手の背番号上のアルファベットは、
"TAKAHASHI"でも"MIYUKI"でもなく、"SHIN"と書かれる。
何故かと思い調べてみると、彼女の座右の銘である
"心・技・体"から、しん(SHIN)としたのだそうだ。
ユニフォーム表記の意義を全く無視しているともいえるが、
それだけ彼女にとって座右の銘が大切なのだろう。
海外留学の頃に、この座右の銘について友人達に
説明したところ、ああ、墓碑銘のようなものかと言われた。
日本では墓碑銘というものに馴染みが少ないが、
欧州では一般的に使われる。例えば、
"医師、リチャード・トーマス、ここに眠る"
"生涯に多くの命を救い、家族たちに多くの愛を育んだ"
後半の部分が、墓碑銘である。
無論、墓碑銘とは死んだ後に刻まれるものだが、
「自分はこういう墓碑銘を残したい」と思い描き、
その内容に準じた生き方をしていくという意義もある。
このことが、座右の銘の意味と重なるのだろう。
余談だが、自分にも座右の銘がある。
自ら省みて直からずんば、褐寛博といえど吾恐れざらんや。
自ら省みて直からば、千万人といえど吾往かん。
中国の孟子の言葉だ。
現代語に訳すると、
「自分の行動が間違ったものであると分かれば、
それを指摘した相手が、たとえ乞食だったとしても
自分はそのことを深く反省し、自分の行動を正すだろう。
もし、自分の行動が決して間違っていないのであれば、
たとえ大多数から否定されても、必ず行動するだろう。」
という意味だ。
この座右の銘を掲げたおかげで、サラリーマン時代は
随分と苦労したが、今では、この銘を守りつづけている
ことに少なからず誇りを感じている。
名言にしても台詞にしても、インパクトのあるもの、
感動できるものは、そのまま後世に伝わっていく。
言葉の力は素晴らしいものだ。
END
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